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日々キャッチ&リリース
by fusamoko
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西原PLUTO うつくしいのはら
読み直すと、私の書き方(切り取り方)が悪いので
先日の記事の西原版PLUTOを正確にアップします。

前記事↓
>野原に放置された元戦士の屍骸。
>蛆がわくしゃれこうべの独り言。
>「昔、勉強しなさい、少しでも文字を覚えなさい しあわせになれるから、と
> おかぁさんが言った。ボクは勉強した。でもボクはここにいる。どうして?」
>そして何度もくりかえされる野原のしゃれこうべ。
 
不覚にもその時泣いてしまった部分だけクローズアップして書いてしまいました。
これだと単なる戦争反対まんがだと思われちゃうので、
以下サイバラ流「PLUTO」漫画を文字で全部紹介します。
ホントは漫画の方がずっといいから、できたら漫画で読んで欲しいのですが。


「うつくしいのはら」
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「ねえ おかあさん ぼくたちは いつになったら 字をおぼえて 商売をして 
 人にものをもらわずに 生きていけるの」
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主人公は貧しい国の貧しい女の子。字をおぼえたら世の中がわかる、商売ができる、家族がいっしょにいられる、と教えてくれるシスターの元へ、毎日勉強しに通っています。

ある日、野原で遊んでいて、海の向こうから来た兵士の死体を見つけました。死んだ兵士にむかって心の中で「なんでこんなことしてるの?」と話しかけると、「家族を食べさせたかった」と教えてくれました。

その後、少女はおとなになりましたが、食料の配給を受けるような貧しい生活から抜け出せずにいました。あの時の兵隊さんが私のおなかに降ってきた、と信じている小さな息子を育てています。彼女は息子に「字をならいなさい。そうしたら世の中のことがわかる、家族をたべさせていける」と教えます。

ある日、息子が学校から帰ってくると、家が爆撃されてお母さんが死んでいました。死んだお母さんは「おかえり。今日はどんな字を習ってきたの」と話しかけてきました。息子が「うつくしいのはら」と無邪気に答えると、「あなたの家族をおなかいっぱい食べさせるために、一つでも多くの言葉をおぼえなさい」とお母さんは言い遺しました。

やがて息子は兵士になり、戦場の野原で撃たれて死んでしまいました。死んだ兵士が「もっと字をおぼえたかったな」とつぶやいていると、主人公の少女が草をかきわけて登場し、最初の場面に戻りました。

「ねえおかあさん。ぼくたちは、いつになったら字をおぼえて、商売をして人にものをもらわずに生きていけるの?」と兵士は少女に話しかけ、はじめて涙を流しました。少女は答えます。「わからない。それは誰にもわからないの。でも、次にうまれて人になるために、一つでも多くの言葉をおぼえましょう」

少女—「うつくしいのはら」

兵士—「うつくしいのはら」

少女—「あおいそらとそらまめ」

兵士—「あおいそらとそらまめ」

少女—「あいしてる」

兵士—「あいしてる」
by fusamoko | 2009-10-24 22:01 | すきなこと
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